私たちが行政に望むことは、高齢者や障害を持った人たちが仲良く一緒に暮らせるまち、
       子供達がいきいきとしたまち、そんな「普通のまち」をつくって欲しいと願っているだけです。

本日の対談のテーマはまちづくりです。荒巻則子さん、丹沢千恵さんは、私たちの住む地域がより良いまちとなるため、様々な市民活動を熱心にされていらっしゃいます。以前よりゆっくりとお話の出来る機会があればと思っていました。本日はよろしくお願いいたします。
さて、現在おふたりが係わっていらっしゃる活動はどのようなものでしょうか。

荒巻
まず始めに、私たちの出会いですが、以前東松山市広報の編集を「いどばた」という名称で一般から公募されたことがありました。その時に丹沢さんと出会い、もう10年以上のお付き合いになります。その後「東松山女性のネットワーク」ができ、そこで東松山市にあるいろいろな団体と出会うことが出来ました。現在は女性のネットワークのほか、NPOホスピス研究会「さいどばいさいど」、車椅子友の会、日本スリーデーマーチの「ゆっくりウォーク」、今は近く上映される天の園のアニメ「雲の学校」の事務局のお手伝いもさせていただいております。

丹沢 
いくつもの活動をしているように見えますが、実は全ての団体につながりがあり、それぞれが協力しあって運営されています。「よりよい地域づくり」という共通したテーマで活動を行っています。

荒巻 
例えば車椅子友の会の活動をしていく中で、スリーデーマーチの「ゆっくりウォーク」は生まれました。そんな風に、全ての活動にはつながりがあるものですから、私たちは特別いくつもの活動を行っているという意識はありません。

森田 
ある意味、お二人の係わる活動が私たちのまちで市民の皆さんが気づいていてもなかなか出来なかった部分と言えますね。勇気を持って地道に活動されていることに、いつも感心していますし、何かお手伝いで出来ることはないかなって思っています。

丹沢 
以前、車椅子友の会の皆さんとスリーデーマーチに参加したことがあります。その時驚いたことは、一般の参加者の中にとても迷惑そうに車椅子をかき分けるように歩いていく方がいたことです。この体験から車椅子の人たちがゆっくりと歩けるようにとウォークの専門家である市教育委員会の奥野清歩さんがコースを作ってくださいました。これがゆっくりウォークの始まりです。

荒巻
 
ホスピスの活動も同様で、身近に多くの末期がんで苦しんで亡くなる方がいるのに、なぜ地域社会はそれをサポートすることをしないのだろうと、そんな当たり前のことがなぜ出来ないんだろうということが活動のきっかけです。

森田 
なるほど、地域社会というと、やはり行政が果たす役割も大いにあると思いますが、皆さんから見た現在の行政はどのように見えるのでしょうか。

丹沢 
最近は市民との会話や参加を積極的に取り入れていただけるようになりましたが、少し感覚のズレはあるように思います。例えば先程お話ししたゆっくりウォークですが、当初は行政の応援は一切ありませんでした。自分たちで工夫してコースを作り「ゆっくりウォーク」という名前をつけました。私たちは東松山市が掲げている「ノーマライゼーション」の理念からすると、応援していただけると考えていたのですが、実際にはかなりの時間がかかったように思います。

荒巻 
ホスピスの問題では、私たちの住む小さな地域だけでも年間100人以上の方が、がんで亡くなっています。行政も昨年よりホスピスに関する検討委員会を発足させました。ある意味大きな進展が見られるようになりましたが、かなりの時間が費やされたように思います。


森田
 
行政が気づきにくい、しかし、行政が担うべき、きめ細かな市民ニーズをいかに汲み取り、官民協働の仕組みづくりをするということが、私にとっても大きなテーマの一つです。また、現代の地方政治家にはその使命があると考えています。
 ところで、お二人から行政への今後の期待というものがあればお話ししていただきたいのですが。

丹沢 
先程もお話ししましたが、以前と比べて行政と私たち市民との距離はとても小さくなっていると思います。行政と何か活動をしていく中で一番大切なことは、担当する職員の方の熱意と理解だと思います。「今回の活動の担当者は○○さんだからうまく行く」などという話を聞くことがあります。ということはその逆もあるということですね。
 
森田 
きびしい指摘ですが、行政マンにとって今求められている最も大切なことは、自ら地域の中に、市民の中に積極果敢に飛び込むことだと思います。聞く耳は大切です。
「耳をすまして」・・・

丹沢千恵さん

荒巻 
私たちが行政に望むことは、高齢者や障害を持った人たちが仲良く一緒に暮らせるまち、子供達がいきいきとしたまち、そんな「普通のまち」をつくって欲しいと願っているだけです。



丹沢
 
少しPRですが、私たちにとって待望のNPOホスピス研究会「さいどばいさいど」の事務所が出来ました。市民活動の良い拠点になると思いますので、有意義に使っていきたいと思っています。

森田 
市民活動の拠点ができるということは、とても大きな力になると思います。埼玉県ではNPOの支援をさらに強力に推進していきます。私も皆さんの活動がより大きな成果が上げられるような環境づくりにしっかり取り組んでいきたいと思います。本日はありがとうございました。

荒巻則子さん

「いいまち」と言われるには、教育や福祉、医療の充実、産業の発展、環境の保全、都市施設の充実など様々な要素が挙げられます。人が住み、その地域で生きていくということは、こうしたすべての政策や事業が真に市民の側に立った血の通ったものであってはじめて「いいまち」と言えるのではないでしょうか。今回の対談で、お二人のお話はとても「温かい」と感じました。

森田

 
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