これからの行政はいかに市民の声を聞いてまちづくりに反映していくかが大きなテーマだと思います。

小谷 朗さんは信州大学口腔外科の教授を引退され、現在は同大学の名誉教授でいらっしゃいます。小谷さんとはNPOホスピス研究会「さいどばいさいど」の総会などで何度かお会いし、その熱心で謙虚な姿勢を見て、いつかゆっくりとお話をさせていただけたらと考えていました。


森 田 
小谷さんは昨年東京の成増から東松山に越して来られたそうですが、どのような理由で東松山に来られたのでしょうか。

小 谷 
以前より引退後はゆっくりと暮らしたいと考えていました。本来私は山よりも海の方が好きなので、千葉県にしようかと考えていましたが、最近の地震情報等を聞き、それなら安全な埼玉にしようと考えました。また、東松山市にあるNPOホスピス研究会「さいどばいさいど」の活動に参加させていただきたいということも大きな理由の一つです。

森 田
私は東松山生まれ、東松山育ちです。良いまちにしたいと考え政治家を志したのですが、長年すんでいるために見えない部分がたくさんあると思います。そこでお聞きしたいのですが、東京から越されて東松山市の印象はいかがですか。

小 谷
私は東京で育ち、その後30年間信州にいました。その後東京に戻り東松山に越してきました。自然が豊かでとても良いまちだと思いますが、そういう時代だと言ってしまえばそうなのかもしれませんが、なぜか人間関係が希薄なことに少し驚きを感じました。買い物に行っても商品を売ろうという気持ちが伝わってきません。いろいろな公共施設も充実していますが、どのようなサービスを受けることが出来るのか分かりません。このまちは他のまちよりも多くのアピールするものがたくさんあるように思うのですが、全体に生かされていないような気がします。

森 田
このまちがアピールできるもの、また、観光やビジネスの資源として可能性のあるものは何だろう、と以前から考えていました。例えば、全国的にも有名で歴史のある日本スリーデーマーチ、秩父神社、大宮の氷川神社と並ぶ箭弓神社、外資系の会社では世界的なボッシュ、やきとり店が日本で一番多いまち、市内に大学が3校ありますし、県立こども動物自然公園、近隣には森林公園があります。関越自動車道のインターチェンジが市内から近い距離にあり、市民病院もあります。埼玉県内に市民病院を持つ市はあまりありません。最近市民の力でアニメーションになった打木村治の児童文学「天の園」の舞台となった唐子地区など、里山の広がる比企丘陵の自然と古い歴史……まだまだたくさんの良いものがあります。

 

小 谷
今お聞きして私の住むまちにはこんなにたくさんの良いものがあることを知りました。しかし残念なことに、あまり生かされていないような印象があります。例えば日本スリーデーマーチは国際的なイベントのようですが、当日はまちの中がスリーデーマーチ一色になりますが、終わったとたんに存在が無くなってしまうような気がします。

森 田
その通りだと思います。私はもっと「歩けのまち東松山」をアピールすべきだと思います。その為にはウォーキングセンターを充実させることが必要だと考えています。
財政的にも豊かな時代はあまり考えなくとも良かったのかもしれませんが、経済的に大変に厳しい時代です。これからは積極的に地域の個性をアピールして行かなくてはいけないと思います。

小 谷
森田さんは具体的にどのようにすればこのまちが良くなるとお考えでしょうか。

森 田
先程まちの特徴をいくつか揚げましたが、もう一つの特徴として市民活動がとても盛んな地域ということが言えると思います。最近出来た打木村治の天の園のアニメ「雲の学校」、日本スリーデーマーチで最も注目されている「ゆっくりウォーク」などは市民の力で作り上げたものです。これからは行政と市民、企業が一つになってまちづくりをしていくことが大きな力となるのではないかと思っています。

小 谷
私もその通りだと思います。これからの行政はいかに市民の声を聞いてまちづくりに反映していくかが大きなテーマだと思います。
とても住みやすい穏やかなまちで、私は越してきたことに満足していますが、もう少しまちに元気と、活気があれば良いと思います。私も市民の立場らかこのまちが良くなるように協力していきたいと思います。

森 田
私も政治家としてもう一度我がまちを見つめ直してみたいと思います。今日はありがとうございました。


小谷先生は穏やかな中にとても強い情熱を秘めた方だと思いました。まちを愛する気持ちは、長年住んでいる私たちと少しも変わらず、良いまちになるように真剣に考えていらっしゃいます。これからもいろいろな意見をお聞きして、自分自身が政治家として何ができるのか、何をすべきかを真剣に考え、取り組んでいかなくてはと身の引き締まる思いがしました。

森 田

 
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