「名医」より「良医」を目指して

今回の対談は、新郷で医療法人社団保順会「辻保順医院」と居宅介護支援事業所を運営されていらっしゃる、辻守史さん、敏子さんご夫妻です。

森 田 辻保順医院という名称ですが、とても変わった名前ですね。

辻守史 私は山梨県の出身です。家が代々医者の家系で、私共の辻保順医院は10代目になります。埼玉医科大学を卒業し、縁あってここ東松山市で開業することになりました。

森 田 介護部門は奥様が中心となっていらっしゃるようですね。

辻敏子 居宅介護支援事業所で「楽らくケアサービス」と「楽らくケアサービスヘルパーステーション」の2つを運営しています。

森 田 今年は医療・介護とも大きな法改正がありました。様々なことが言われていますが、この改正が現場で医療や介護に携わる人達にとって良いのか悪いのかが今ひとつ見えません。

辻守史 国の財政状況が大きく関わって今回の改正が行われたわけですが、医療・介護の現場は困惑していると思います。ある時期、医師にとって、経済的にとても恵まれた時期がありました。要するに医療費は医師のさじ加減でどうにでもなった時代がありました。医師のモラルの問題が大きく問われた時期です。その結果、医療保険財政の圧迫、同時に国内の経済の低迷などが起こり、見直しが繰り返し行われるようになりました。

辻敏子 税金の無駄遣いは良いことではありませんが、必要な福祉サービスが出来ないような状況になっていくことには疑問を感じます。

森 田 私たち議員は、行政担当者から新しい制度の説明を受け、頭では理解しているつもりですが、実際の現場や市民にとってあまりよい状況ではないようですね。

辻守史 しかし私たちの出来ることは、現在の法令の中で最善を尽くすことだと思っています。

森 田 辻さんが力を入れている点や、今後のビジョンなどがありましたらお聞かせ下さい。

辻守史 私の目指しているものは「良いかかりつけ医」です。クリニックに来てくださる患者さんとの関係を大切にし、地域医療の充実を目指しています。

辻敏子 医療と介護は一体のものです。幸いなことに私共はその両方を持ち合わせています。その利点を生かし、柔軟性のある介護を行っていきたいと思っています。また、私自身が音楽療法士でもありますので、リハビリテーションの中に音楽療法やそれ以外の様々なプログラムを取り入れた介護をしていきたいと思っています。確かに今回の法令の改正には多くの疑問点はあります。しかしだからといってクオリティーを落とすようなことは考えてもいません。

森 田 辻さんは在宅ホスピスにも力を入れていらっしゃいますね。

辻守史 在宅医療は「かかりつけ医」の原点のようなものです。病気の内容にかかわらず力を入れていますが、がん末期医療―ターミナルケア―に関して日本の地方都市は大変に遅れているのが現実です。ホスピスケアというものは、医療者ばかりでなく、患者さん自身の人生観、死生観などが大きく影響するものですから、それらの向上のために力を入れているわけです。

森 田 今までお話をお聞きして医療・介護に必要なものは“創造性”ではないかと思いました。今回の医療改正は多くの問題を投げかけたようですが、お二人のお話をお聞きしてそれらの問題をはねのける力を感じました。私も議員として“創造性”のある活動をしていきたいと思います

辻さんご夫妻とは年齢も同じということもあり気軽に対談を行うことが出来ました。ところで、辻保順医院は山梨県で安永2年から続く歴史あるお医者さんで、辻さんは10代目にあたります。また、作家故辻邦生さんと親戚で、その作品「銀杏散りやまず」に辻家のことはくわしく書かれているそうです。
最後に辻保順医院のホームページには次のように書かれています。

「名医」より「良医」、近くにいる町のお医者さん。
どんな病気でも診る、いつでも診る。
率直丁寧に答え、必要なときにふさわしい他の医療機関を紹介する。
そんな「かかりつけ医」でありたいと思っています。

辻保順医院 
〒355-0071 東松山市大字新郷29−3
TEL.0493-23-9045 FAX.0493-22-9119
http://www.tsuji-hojun-clinic.com/
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